認知症サポート医の重要性について等については、ここまでの内容で十分お分かりいただけたのではないかと思いますが、いかがでしたでしょうか。
養成研修を受けるためのハードル自体もそれほど高いものではなく、ある程度の関わりや診療経験等があれば、皆さんも応募に踏み切ることが可能です。

さて、今回最後となる記事では、認知症サポート医が実際に活躍している傍らで、今後の課題とされているお話などについて少しご紹介をしておきたいと思います。

活動には個人差や地域差が出ている

各地域では、認定を受けた医師らが認知症に罹患している高齢者たちの診察を続けてはいるものの、ご家族の方が十分な知識をもっておらず、そのために症状が悪化していく場合も多く、また、適切な対応のできない医師も少なくはないそうです。

この認知症サポート医による制度が始まってから10年が経過していますが、研修に取り組む自治体と、あまり積極的ではない自治体とに分かれているようです。
その理由として挙げられるのが、そもそも医師不足が続いている地域、また、予算が少なく取り組むことが難しいという地域とが多いとのこと。

自治体によって意識の差が開いており、そこが都道府県別における格差を生んでいるともみられています。
現在は認知症サポート医ネットワーク等において、サポート医の名簿が公表されておりますが、サポート医の名簿をそもそも公表するべきかどうか、という点についても自治体によって判断が分かれているようです。

実際、国が公表している要綱では公表自体は義務漬けられておらず、その位置づけ自体が曖昧になっている部分もあります。
そのため、県では非公表としているが、市では公表している、といったことも起きています。
あるアンケートでは、地域医療や福祉関係者において、これらの情報を提供していないという自治体が2割近くにも上った様子。

また、運営上特に問題とされているのが、活動に関して言えば個人差、地域格差が生じているというものが主ですが、その他にも活動の結果が報酬に反映されないことも声として挙がっています。
折角、認知症サポート医として頑張ろうにも、特別に報酬があるわけではないとなると、頼む側としても慎重にならざるをえません。
ただでさえ忙しい医師に対して、ボランティアに近いレベルでの活動を頼むことが難しいと考える方も多いようです。

最後に

まだまだ認知症サポート医の認知度自体が高くなく、活動の輪が不十分なためにシステム自体がうまく機能していない、という点が何よりも現状から今後への課題として挙げられるでしょう。
超高齢化社会を迎える今、何らかの形でこのようなシステムを広げていかなければいけないわけですが、なかなか上手くはいかないようです。

ただ、医師転職を検討しているみなさまにとっても、認知症対策等はそう遠い話ではありません。
ぜひ、このような情報を活用しつつ、ご自身の道を模索して頂ければと思います。