認知症サポート医制度が設立された背景には、厚生労働省が掲げる施策が2つ絡んでいると言ってもいいでしょう。
その二つは、認知症初期集中支援チーム、地域包括ケアシステムと呼ばれるもので、いずれも規模としては“国家戦略”と呼べるものです。
2025年問題を目前に、増え続ける認知症患者さまの増加。
その数は700万人を超えるとも考えられているため、国を挙げての急務ということでこのような施策が打ちたてられました。
その目標の一つが地域の認知症医療と言えます。
今回は、認知症サポート医に関連するこの2つのシステムについて、少しお話をしておきたいと思います。

認知症初期集中支援チームとは

これは認知症の患者さまやそのご家族さまの早期に関わるチームを配置することによって、認知症の早期診断や早期対応に向けて、十分な支援を行うための体制を構築することが目的とされています。
認知症となったご本人の意思が尊重されることが重要であり、住みなれた地域においてよりよく暮らし続けることができるよう支援を行うためのチームとも言えます。

具体的には、複数の専門職が認知症が疑われる人や、認知症と診断された人、また、そのご家族様を訪問するなど、家族支援を含む包括的・集中的なケアを行うことで、自立生活をサポートします。
現在、医療サービスや介護サービスを受けておらず、認知症が疑われる(認知症と診断された方も含む)方で、一定の基準を満たした方はチームによる支援を受けることができます。

地域包括ケアシステムとは

地域包括ケアシステムは、厚生労働省が進める国家戦略の内、政策の柱の一つとも呼ばれるもので、特に少子高齢化に対応するための制度と言えます。
このシステムは、各地域における住居、医療、介護、予防(未病対策)、生活の支援といった5つにおけるサービスを一体として提供するための、連携が取れた体制を構築しようというものです。

分かりやすく言えば、これまで野菜は八百屋、魚は魚屋、肉は肉屋で買っていた地域の商店街に、大型のショッピングモールを建てるようなものです。
このショッピングモールさえあればもっと多くの方によりよいケアを行うことができるのではないか、というような発想の元で立案されています。

全てが独立していると、どうしても上手く連携をとることができないため、効率よく助けが必要な高齢者の方々をサポートすることができません。
そのため、このようなシステムを通じて、ご家族の方々、地域の医療機関、その他の人材が連携していく必要があるのです。